坐禅でととのう
数年前からのサウナブームで、そのキーワードとなっているのが ととのう です。
以前、流行語大賞にもノミネートされました。
ととのう とはサウナ愛好家たちが「サウナ→水風呂→休憩」のセットを何度も繰り返し、
温冷刺激によって脳内で β-エンドルフィン オキシトシン セロトニン が分泌され、
鎮痛効果や気分の高揚、幸福感を得られることなんだそうです。
一方、私たち禅宗の僧侶にとって ととのう と言えば、坐禅です。
本日の坐禅体験でも、「調身・調息・調心」を援用しましたが、この「調」は ととのう という意味です。
調身:身体をととのえる |
身体 や 呼吸 や 精神 は密接に関わっています。
例えば、心が乱れれば呼吸や姿勢が乱れます。
逆に心を調えようとするならば、呼吸や姿勢を調えれば良いのです。
背筋を伸ばし体が真っ直ぐになれば、心が真っ直ぐになる。
心が真っ直ぐになれば、思うことが真っ直ぐになる。
毎日を忙しく暮らしている私たち人間は、色んなことを同時に考えながら生きています。
そのため、意識がさまざまな場所にあると思うのですが、そのすべてを自分の中心へと戻すのが坐禅です。
呼吸を整え、姿勢をととのえることで体の内側もおのずと、ととのいます。
自分の現在地がどこにあるのかを確かめることができる、
只管打坐(しかんたざ) ただひたすらに坐るということです。
曹洞宗の坐禅は 壁に向かって座ります。
壁向きに座ることで、より自分の世界に没頭し、五感が研ぎ澄まされ、自分を違うところから見つめることができます。
私たちは日頃生活している中で、知らず知らずのうちに 心が乱れていること があるかもしれません。
そんな時、パフォーマンス向上のためにぜひ「調身」「調息」「調心」の言葉を思い出していただき、自らをととのえて頂きたいと思います。
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