お寺の灯(あかり)
電気照明が無かった昔、儀式を行う際ろうそくの火が使われていました。
ろうそくの温かみのある火を眺めていると、自然と私達の心も落ち着くものです。
時代は変わり、周囲の環境が明るくなった現代、お寺の照明はろうそくだけでは暗くなりすぎました。
特にお寺に慣れていない人は、暗すぎるのは不安に感じるし、そもそも、うす暗いお寺にはあまり近づきたくないと思います。
温かみがありながら、暗すぎず、明るすぎないろうそくのような灯(あかり)
ろうそくの灯りはあの世とこの世の架け橋になってくれます。
お盆に仏壇にろうそくの火を灯すと、ご先祖様や故人が迷うことなく現世に帰って来られると考えられています。
有名な仏教行事である「精霊流し」は、お盆に戻って来た先祖を再び浄土に無事に送りだすためのものです。
また、ろうそくの火は、光に照らし出されてあらわになった私達の邪念や煩悩を払い去ってくれると言います。
ろうそくの火の暗闇を照らす力は邪気を払い、私達の周囲の不浄や汚れを浄めてくれるのです。
お寺にあるべき灯(あかり)を求め、この度、本堂の照明を一新致しました。
スポットライトを当てて、段階的な光を作ってみました。
照明の向きを変える事ができるので、法事の時は御本尊様、亡くなられた故人様の遺影にスポットライトを当てます。
イベントの時にはあらゆる方向にスポットライトを当て、特に天上画や両面彫の彫刻等、お寺の芸術的なものにスポットライトを当てることもできます。
また、灯の色味を変える事もできるので、用途により変更できます。
多くの方は、お寺は住職のものだとお考えかと思います。
しかし、そもそもお寺は住職のものではなく檀家様のものともいえるのです。
檀家様が金銭などを出し合って共同運営するのがお寺であり、そこに供養の専門家としての僧侶を招いて住まわす、というのが本来の意味なのです。
ですので、この度照明を一新した本堂を、是非皆様に活用して頂きたいと思っております。
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