苦しみから抜け出すきっかけ|諸法無我(しょうほうむが)
3人の父親、妻の夫、妻の妹の義兄、姉の子供の叔父、住職、、、
いずれも自分の事を説明する言葉ではありますが自分自身ではありません。
でも、これらが集合すると私になります。
確固たる自分自身というものは無く、結婚したから夫になり、子供を授かったから父親になるように、環境によって自分自身は変わります。
住職だと認められるから住職であるというように、他人の価値観によって自分の存在が成り立っている場合もあります。
これを 諸法無我 といいます。
「諸法」は すべてのもの、
「無我」は 私というものはない
すべての物事は因縁によって変化するものなので、固定した実体はない という教えです。
世の中のすべてのものごとは互いに影響を与えあってそこに存在する ということを指しています。
人は現在の自分の姿にばかり意識がいき、嘆いたり後悔したり、もしくは満足したりします。
しかし、諸法無我 を正しく理解すれば、それらはどれも意味がないことになります。
世の中のあらゆるものは、お互いに影響し、関係しているがゆえに、苦しみ・悩みを抱くことになります。
苦しみ・悩みの渦中にいるとなかなか気づかないものですが
自分自身は周囲の状況によって成り立っているもの
という意識をもって周囲を見まわせば、苦しみから抜け出すきっかけを見つけることができるのではないでしょうか。
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