曹洞宗の葬儀の流れをご紹介します|故人へ温かい想いをおくりましょう
曹洞宗において、葬儀を実施することは非常に大切なものです。曹洞宗では「葬儀を実施した際に、故人が仏の弟子になる」と考えられています。ですので、曹洞宗の葬儀は「故人を仏の弟子にするための儀式」を行う必要性があります。
曹洞宗の葬儀の流れは詳しく以下の6つの段階に分けられます。
『剃髪(ていはつ)』
『授戒(じゅかい)』 『入龕諷経(にゅうかんふぎん)』 『龕前念誦(がんぜんねんじゅ)』 『引導(いんどう)』 『山頭念誦(さんとうねんじゅ)』 |
ほとんど馴染みのない言葉ばかりですが、これらはそれぞれどんな意味を持ち、どんな儀式なのでしょうか?1つずつ詳しく説明していきます。
『剃髪(ていはつ)』
故人の頭を僧侶が剃る儀式です。しかし僧侶が実際に故人の髪は剃りません。読経をしながら髪を剃るような様子を見せることで、剃髪の儀式を行います。
『授戒(じゅかい)』
仏門に入る故人へ仏弟子として生きるための戒律を授けることです。戒律の内容はお釈迦様から伝えられたもので、三帰戒(さんきかい)三聚浄戒(さんじゅじょうかい)十重禁戒(じゅうじゅうきんかい)をまとめた十六条戒です。最後に仏弟子となった証明である血脈(けちみゃく)が授与されます。
『入龕諷経(にゅうかんふぎん)』
故人を棺に納める儀式ですが、現在の葬儀ではこの時点で既に納棺が済んでいます。ここでは大悲心陀羅尼(だいひしんだらに)、回向文(えこうもん)というお経が読まれます。
『龕前念誦(がんぜんねんじゅ)』
棺を閉じる際に行われる儀式です。故人が仏弟子として穏やかな気持ちで歩めるよう、心を込めて祈念します。ここでは「十仏名(じゅうぶつみょう)」、「回向文(えこうもん)」が読経されます。
『引導(いんどう)』
故人が今生(こんじょう)の未練等に区切りをつけて、仏の世界へ直向きに歩み進んでいただくために、故人の半生を僧侶が漢詩で表します。そして、法炬(たいまつ)を使い、円を右回り、左回りに描いて故人に引導を渡します。
『山頭念誦(さんとうねんじゅ)』
故人が仏の弟子となり、仏性に目を覚ますことを手助けするための祈願のことで、「修証義」が読経されます。山頭は「火葬場」のことを指しており、故人が斎場から埋葬場へと向かうまでに行う儀式です。
曹洞宗の葬儀の流れをご説明させて頂きました。
最終的には故人に対して温かい想いをおくることが葬儀の意義なのではないでしょうか。
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