施食会(せじきえ)っていったい何のこと?
日本の慣習としてある「お盆」を迎える前に、ぜひ、知っておいて頂きたいのが、施食会(せじきえ)です。
施食会(せじき)は施餓鬼(せがき)ともよばれます
餓鬼(ガキ)…… ヤンチャな子どもを ガキ とか 悪ガキ とか呼びます。
子供は貪るように食べることがあるため、餓鬼(ガキ)が比喩的に用いられるようになったのです。
餓鬼(がき)とは、
生前に悪行を行った霊 生前食べ物等を粗末にした霊 俗世で供養してもらえなかったりして無縁仏となってしまった霊 |
が、餓鬼の世界に落ちて 鬼 となってしまったもののことです。
餓鬼の世界のことは「餓鬼道(がきどう)」と言い、六道の一つとなります。
餓鬼の世界では常に飲食をすることができないため、飢えと渇きにもがき苦しんでいるため、食物や飲み物をお供え物として捧げ、法要を執り行います。
施食会 せじきえ (施餓鬼会)は餓鬼に施し(ほどこし)をすることで、自らの徳につなげる法要です。
施餓鬼を行う時期に厳密な決まりはなく、また1年に1度だけ行うものでもありません。
多くのお寺ではお盆やお彼岸など他の年中行事と一緒に施餓鬼会が行われます。
なかでもお盆に施餓鬼会を行うお寺が多いのは、お盆の時期は
地獄の窯のフタが開き、亡者がこの世に降りてくる |
とされていることに由来します。
懐かしい先祖とともに、餓鬼道に堕ちた者たちもこの世に訪れるため、先祖と一緒に餓鬼の供養をしようということで、施餓鬼会が行われるのです。
曹洞宗では施餓鬼(せがき)とはあまりいわず、施食(せじき)と表現します。
なぜでしょうか?
施す者と施される者との間には 身分が高い、身分が低い といった格差はありません。
「卑しいものに施しを与えてあげる」という尊大な気持ちを持つことにつながり、それは仏さまの教えにそぐわないという考え方からです。
施食会は、人々が互いに分かち合い、支え合う喜びを共にし、亡くなった人たちにも感謝の誠を捧げる大切な行持です。
奪い合えば人は傷つき、分かち合えば人にやわらぎがあらわれる |
施食会を通して布施の精神を知ることは大変重要なことです。
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