立春大吉|二十四節気(にじゅうしせっき)|思ったが吉日
今日から「立春(りっしゅん)」となり、暦の上では春になります。
「立春」は日本の1年を24等分し、約15日ごとに移ろう細やかに分けた二十四節気(にじゅうしせっき)の始まりであります。春の気配が立ち始める日という意味で「立春」とされます。
日本で最も古い歴史書である「日本書記」にも、二十四節気についての記述があります。
四季がはっきりとした日本だからこそ、暮らしに深く根付いたのが二十四節気です。変化に富んだ四季があるのは、日本の大きな魅力の1つです。
人肌で感じる風や空気で細かな自然の変化を敏感に感じ取ってきた暮らしの知恵は、今なお日本に息づいています。
「立春大吉」
立春当日に、これからの一年が良い一年となるように祈願して、禅寺の入り口に貼るお札の文言です。新しい年の幸せへの願いが込められた言葉であります。
雲林寺では、お正月に「立春大吉」のお札シールを檀家の皆様にお配りする年がございます。
お札へ縦書きにこの文言を書くと左右が線対称になることがわかります。反対側から見ても読めるのですが、それにまつわる鬼の話があります。
ある時、「立春大吉」のお札が貼ってある屋敷へ鬼が入ってきましたが、ふと後ろを振り返って、門に貼ってあった「立春大吉」と書いた札を見るなり、「おや、これはさっき外から見た札だ。ということはまだ俺はこの屋敷の中へ入っていなかったのか」と言って、鬼は屋敷の中に入るつもりで、実際には入ってきた門を出て行ってしまったんだそうです。
家の外から見ても中から見ても、見える文字は「立春大吉」
鬼(厄)を退治するのではなく、勘違いさせて出て行ってもらう。厄除けとしては一番良い方法なのではないでしょうか。
立春の「立」という漢字には、これから動き始めるという意味があります。
令和5年、今年の立春は2月4日〜2月18日です。何か動き始めるのはとても良い期間だそうです。
人生100年と言われる時代、自分を磨くために何かを始めるには遅すぎる、ということはありません。「六十の手習い」ともあるように、人は成長し続け、人生を豊かにしてゆくのではないでしょうか。
「思ったが吉日」
この立春という貴重な15日間。生き物が活動を始める季節、春の兆しに命の躍動を感じる時期です。
皆様のご活躍をお祈り申し上げます。
この記事へのコメントはありません。