住職?和尚?お坊さんの呼び方
地域によりますが、葬儀社の方との打ち合わせの時に「先生」と呼ばれることがあります。
先日、群馬県太田市の斎場での告別式で導師を勤めさせて頂きましたが、火葬場の係員の方からも「先生」と呼ばれました。
実は毎回戸惑っており、「先生じゃないんですが。。。」と心の中でつぶやいております。
教師や医師、代議士などは先生でしょうが、お坊さんはなぜ 先生 なのでしょうか。
和尚おしょう という言葉はじつは日本語でも中国語でもなく、古代インド語の先生(戒律を授ける者)という意味だからという説
昔は和尚さんが学校の先生も兼務していたから、という説があるそうです。
ではなぜ、お坊さん なのでしょうか。
元々は「房主」と書き、僧侶が集まる僧房(僧侶が生活する空間や建物)のリーダーである主僧を意味する言葉でしたが、次第に僧侶全体を意味するようになりました。
また、奈良・平安時代の都の区画が語源という説もあります。
「坊」という言葉は当時の一区画の単位を指します。
「大きな都の中の小さな一区画」であった「坊」が、次第に「大きな寺院に所属している小さな寺院」も指すようになり、「一坊の主人」という意味から「坊主」という言葉になったとも考えられています。
私が現在最も多く呼ばれているのが、住職 です。
住職という言葉は、これは「住持(じゅうじ)の職に就いている者」を意味しております。
お寺に住み込みで勤めるお坊さんを意味し、そのお寺の代表者に使うものです。
5年前まで、私は副住職でした。住職の補佐や住職見習いのお坊さんは「副住職」と呼びます。
住職だった私の父は 東堂とうどう と呼ばれております。
これは曹洞宗で住職を退いた方を指します。
中国では、東を上位と考え、皇帝の座を退いた方の寝室を、皇帝が前皇帝に敬意を表して東側に造られたことに由来しています。
曹洞宗では、住職のことを「方丈ほうじょう」とも言います。
方丈とは住職が暮らす四畳半の居室のことで、転じてそこに暮らす住職を意味する言葉となっています。
あまり深く考えず、「住職」「和尚」「お坊さん」と呼んで頂ければと思います。
余談ですが、僧侶仲間からは「雲坊うんぼう」と呼ばれています。
雲林寺うんりんじ の坊主 の意味からです。
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