忍辱(にんにく)
子どもの自制心の有無を知ることができる「マシュマロ・テスト」をご存じですか?
椅子とテーブルだけの部屋に4歳児の子どもを呼び、子どもの前にマシュマロ一つを置きます。
そして、
「これは君にあげるよ、私は今からちょっと用があるから部屋を出るけど、もし私が戻ってくるまでの15分間食べるのを我慢できたら、もうひとつマシュマロをあげるよ。でも、我慢できずに食べちゃったら2つ目はなしだよ」
と言って子どもを一人にし、我慢できるかどうかを試します。
186人の4歳児を対象とした結果、2個目をもらったのは全体の3分の1、残りの3分の2は我慢できずに食べてしまいました。
そして、この子ども達を10年後、20年後、30年後、40年後と、中年期 になるまで追跡調査した結果、我慢して見事2個目をもらった子たちは、我慢できなかった子に比べ 社会的成功度が高い という結果になったそうです。
充実した人生を送るには、忍耐力が鍵 であることを示しております。
仏教では 忍耐(耐え忍ぶ事)を 忍辱 と云います。
忍辱 は、さらに3つに分かれます。
他毀辱忍 | 誰かに憎み恨まれて危害を加えられても、復讐の心を起こさずに耐える事 |
安受苦忍 | 苦境に立っても、決して悲観絶望せず、心をぶらさず、安らかにいる事 |
何か成し遂げたい時、苦しくても信じ、耐える事 |
ゴールが見えない中で 耐える というのは、簡単なことではありません。
諸行無常の世の中 状況は常に変化するので、耐え続ける という事はありません。
人生全体で見れば 耐える期間は あっという間の短い瞬間なのかもしれません。
お釈迦様が 忍辱 を彼岸(悟りの境地)へ渡る仏の行い(6つ)の1つとしたのには意味があります。
ただ 耐える のではなく、先を見据えて、今の行動を抑えること。
前向きな判断をした上の 忍耐 は魂を磨き彼岸(悟り境地)へ近づくのではないかと思います。
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