涅槃図|お釈迦様を囲む神々
毎年2月15日はお釈迦様の命日(旧暦)として雲林寺では涅槃会(ねはんえ)が厳修されます。
そして、多くの寺院ではお釈迦様の涅槃(亡くなられた)時の様子を模している「涅槃図」の軸が飾られ、お釈迦様の教えを今日に伝えられている事に報恩感謝いたします。
涅槃図には様々な登場人物がいます。皆が悲しみに打ちひしがれて、お釈迦様の死を悼みます。
本日は涅槃図に登場する神さまをご紹介したいと思います。
よく知られている仏教関連の神々が登場していて、さながらオールスターズ総出演しております。
①阿修羅(あしゅら)
左に3つの顔と、6本の腕がある、肌が赤い神さまがいます。
阿修羅(あしゅら)といい、両手に赤と白の玉を持っていますが、これは、太陽と月の光りを表現しています。
太陽や月の光りを操る力があるようで、涅槃図では太陽と月の光りを集めてお釈迦さまを照らしていると言われています。
②迦楼羅(かるら)
頭に鳥が乗っている神様がいます。迦楼羅(かるら)で鳥の神様です。
毒蛇から人を守り、龍や蛇を食らうように衆生の煩悩を食らう神とされています。
③摩睺羅(まごら)
蛇の冠をかぶった神様がいます。摩睺羅(まごら)という名です。
大蛇に由来する音の神さまです。
④緊那羅(きんなら)
象の冠をかぶった神様がいます。緊那羅(きんなら)です。歌が上手く、音楽の神様とされています。
⑤帝釈天(たいしゃくてん)
女神のような神さまが帝釈天(たいしゃくてん)となります。
良くみると、目が3つあります。
もとはインド神話の神でしたが仏教に取り入れられ、天の最高神となったようです。
⑥速疾鬼(そくしつき)
お釈迦様の右下にいる、緑色の神。
速疾鬼(そくしつき)という名前で容貌・姿が醜怪で猛悪な鬼神です。
諸天の守護神となり北方を守護すると言われています。
⑦頭に龍が乗っかっているのは難陀龍王(ナンダ)
頭に龍が乗っかっているのは神様は陀龍王(ナンダ)といい、画面の中央よりやや下、宝台の右下に描かれています。
龍は水中に住み、雲を呼び雨を降らせます。
そもそも水と深い関係があり、水の恵みをもたらす神、雨乞の神としてとして崇拝されています。
お釈迦さまの涅槃(死ぬまぎわ)では、多くの個性的な神々が偲ばれたようです。
80歳を迎えたお釈迦様は、体の激しい痛みを感じ、側にいた弟子の阿難(あなん)に3ヶ月後に入滅(亡くなる)することを告げこととなります。
お釈迦さまの最後のお姿は、仏教徒の理想の姿として描かれてきました。
涅槃図は理想の死の在り方が示されています。
涅槃図を読み解くことは自分自身の死の在り方を考えることであり、死を見つめることは今を生きることを見つめ直すことでもあるのです。
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