共通テスト|倫理|仏教の問題|雲林寺住職が解く
明日、14日から始まる大学入学共通テストに向けて様々なニュースが取り沙汰されております。
交通事情、感染対策、警備等、受験生はもちろん、環境を支える方々も緊張の期間なのではないでしょうか?
共通テストの「倫理」では毎年仏教の問題が出題されます。
aは、「論争は称賛を得ること以外には何の役にも立たず、称賛は心の高ぶりを生み出すことで人を害するため、人は論争すべきではない」が正解となります。
bは、「自己への執着が苦しみの原因であると主張した」が正解となります。
よって正解は ① となります。
「身体を苦しめる修行によって真の自己を見いだせると主張した」
は間違いであります。ブッタ(お釈迦様)は身体を苦しめる修行を6年間にわたって続けますが、悟りを開くことはできませんでした。最後は、何日も飲まず食わずの日々が続いた末、ついには苦行の無意味さを知り、「中道」という考えに行き着きます。苦行と快楽のどちらにも偏らない「中道」の考えで菩提樹の下で坐禅を組み、ついに悟りの境地に至ります。
2023年1月13日の光文字は「中道」
「中道」とは、何事も極端に考えないということです。
受験生はどちらかというと「苦」が多いでしょう。しかし受験が終われば「楽」が多くなるでしょう。
「中道」の精神を知り、それを中心として、苦楽のバランスがとれていることが大切なのではと思います。
楽しむときは思いっきり楽しむ。自分に厳しくなるときは甘えない。
楽しむことばかりでは人は堕落してしまい、苦しむことばかりでは人はつぶれてしまいます。
バランスのとれた「中道」の精神を心がけて、豊かな人生を歩んで頂きたいと思います。
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