1. HOME
  2. お寺のブログ
  3. 仏事の知恵
  4. 自灯明・法灯明|先の見えない時代を生きていくために

自灯明・法灯明|先の見えない時代を生きていくために

寝釈迦 雲林寺 長野原 群馬県

AIによって、今ある職業が無くなり、今は無い職業が出てくると予想されています。先行きが見えない不安な時代です。現代の子供達は何を学び、何を身につけて生きていけば良いのでしょうか?

3年連続で小学生のなりたい職業第1位は「YouTuber」だそうです。数年前までは信じられない事でした。

近い将来、今までと同じ考えや行動のままでは社会で活躍できない時代になります。問いに対し一つの正答を出せば良かった時代は終わります。そんな時代を生きるために、どのような能力を身につけておけば良いのでしょうか?

「自灯明・法灯明」は死が間近のお釈迦様が弟子に伝えた言葉です。

「お師匠様亡き後、私は何をよりどころにいきてゆけばいいのでしょうか。」

嘆く弟子のアーナンダにお釈迦様が投げかけたお言葉です。

自灯明(じとうみょう)とは「自分自身を頼り(拠り所)として生きて行きなさい」という意味です。

他人を頼らず自分自身を信じて生きなさい、という教えです。火がどこにあるか探すのではなく、自分が火になることです。他人の意見に左右されず、自分を拠り所にして人生を生きることが自灯明なのです。

法灯明(ほうとうみょう)とは、「真理、つまり本当に正しいことを頼りにして生きて行きなさい」という意味です。真理が自分自身の明かりとなることを指しています。もし自分自身にさえ自信が持てなくなってしまった時は、真理を信じ、頼りにしなさいという意味が込められています。

情報が散乱している現代です。生き抜くためにあらゆる情報を手に入れたくなりますが、結果的にそれが情報や他人に左右されることにもなってしまいます。自分というが持てないまま未来を進んでしまうケースも出てきてしまうかもしれません。

自分自身を火とせずに自分以外の何かを火としてしまうと、頼りにしていた火が消えた瞬間に自分を支えることができなくなってしまいます。

自灯明とは、お釈迦様が「私が亡くなっても、自分の足で世界に立っていなさい、誰かにもたれかかるような生き方はやめなさいと」と言い残し、この世を去った最後の言葉です。

不安やストレスの多い今の時代だからこそ、生き抜くためには自灯明・法灯明の考え方は幸福をもたらすヒントになるのでしょう。真理は自らの中にあるのです。

脚下照顧(きゃっかしょうこ)|足下(あしもと)に注意を|確かな足取りで歩む

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。