般若(はんにゃ)とは?
般若はんにゃ と聞くと、恐ろしい形相の鬼の面を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
目を見開いて眉間にシワを寄せた嫉妬や恨みのこもる表情は、見るものを圧倒する恐ろしさがあります。
このように怖い形相の 般若はんにゃ の面ですが、よく見ると怒りを表しているだけではないようです。
目から下の部分は確かに激しい怒りが感じられますが、目から上の部分には深い悲しみが感じられるようにも思います。
般若の面はただ怖いだけではなく、顔の上下で心の二面性(人間の悲しさや切なさ)を表しているのです。
では、なぜ 般若はんにゃ という名前がついたのでしょうか?
諸説ありますが、般若はんにゃ とは 仏教の 智慧ちえ (物事をありのままに知ること)を表します。
例えば、伝統芸能の 能 の演目の中で、般若の能面 は何かに執心して鬼になっています。
しかし、ほとんどの演目において、怒り狂った後、改心し、悟ります。
そこで仏教とつながる、ということで般若と呼ばれるようになったという説です。
般若という名前がついた由来には、悟る つまり仏教の智慧ちえ であるので、般若という名前がついたようです。
知識が豊富であることに対して使う 知恵 と違って、 智慧 は 物事をありのままに知ること を指します。
仏教的な 悟りの境地 に至るには、知恵 よりもこうした 智慧 の方が大切なのでしょう。
般若心経はその仏の 智慧 を説くお経を指します。
この世のあらゆるものには実体がない。
すべてのことにこだわりを持たず、欲望から離れることでこそ、悟りを得て涅槃へと至ることができる。 |
ものごとは常に変化し続けます。
しかし、その核となる本質は変わりません。
般若心経の教えは、変化に捉われず本質に気づくことの大切さを伝えています。
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