母の日
母の日は「母親に感謝をする日」といわれます。
母の日が生まれたのは20世紀初頭のアメリカです。
1907年(明治40年)、アメリカに住む少女(アンナ)が亡くなった母のために追悼会を開き、母が生前好きだった白いカーネーションを参列者に配りました。
この出来事は、母を敬い感謝する日を作る動きがアメリカ全土に広がるきっかけとなります。
1914年(大正3年)には、当時のアメリカ大統領であるウィルソンが、アンナの母が亡くなった5月の第2日曜日を母の日として定め、国民の休日となりました。
日本に母の日が伝わったのは、明治時代の終わりごろとされています。
大正時代に入るとキリスト教関係者の間でカーネーションを配る母の日のイベントがおこなわれるようになり、1931年(昭和6年)には3月6日が母の日として制定されました。
私たちは、人として産まれたからには必ず母親が存在します。
しかし、仏教を開かれたお釈迦さまは、生後7日目にして母親を亡くしました。
また、曹洞宗の開祖道元禅師も、8歳の時に母親を亡くしています。
幼少の頃に体験した母親の喪失は、人の生き方に大きな影響を与えることでしょう。
道元禅師は母の死という悲しい体験をとおして世の無常を強く感じられ、その心を仏の道へと傾けられたといわれております。
そう思うと、お釈迦さまや道元禅師の母の死があったからこそ、仏教が日本に伝わり、今の曹洞宗があると言えるのかも知れません。
母の日と言っても、遠く離れて暮らしている方もあれば、すでに故人となられた方もあると思います。
母親が健在の方は、感謝の気持を伝える 母の日 は絶好のチャンスでしょう。
では、母親が亡くなっていたら、もう感謝の気持を伝える事はできないのでしょうか?
いつの時代も、親が子どもに願うことは「幸せに生きてほしい」ということだと思います。
母親との死別を経験された方でも、自らが幸せを感じることで母親に感謝ができるのではないでしょうか。
私達が母親を思うのは、それ以前に母親が強く子の幸せを思っていたからです。
お釈迦さまは すべての人が生まれてきてよかった という幸せになれると教えられています。
自らの生きる意味を知り、母親から受けてきた大きな恩を知って、本当の意味での親孝行ができる母の日としたいものです。
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