五観の偈|いただきます、ごちそうさま|食事を見直せば人生が変わります

何気なくしている食前の「いただきます」食後の「ごちそうさま」
儀礼的なものでありながら、感謝、親愛の情を込めたあいさつは、気持ちのよいものです。
私たちは「食事」無くして生きることはできません。「食事」は私たちの健康を支えるだけでなく、人と人を繋ぐコミュニケーションの場でもあります。
命の源となる「食事」 曹洞宗の開祖である道元禅師(1200年1月19日~1253年9月22日)は「食事」に対して強いこだわりがありました。
五観の偈(ごかんのげ)は主に禅宗において食事の前に唱えられる偈文(げもん=仏徳を讃える詩のようなもの)です。中国から伝わり道元禅師が紹介し、日本でも知られるようになりました。
食に関する5つの思想をまとめたのが五観の偈(ごかんのげ)です。
五観の偈は、食事の前に5つの言葉を唱え、食べる事も修行の一つとしております。
①一つには、功の多少を計り、彼の来処を量る。
②二つには、己が徳行の全欠を忖って供に応ず。
③三つには、心を防ぎ過を離るることは、貪等を宗とす。
④四つには、正に良薬を事とするは、形枯を療ぜんが為なり。
⑤五つには、成道の為の故に、今この食を受く
何を言ってるのか全くわかりません。わかりやすく解説したいと思います。
①この食事がここに来るまでに、どれだけの人や自然の力を頂いたか、よく考えましょう。
この一椀のご飯も、大地の恵みでお米ができ、農家さんが居て、それが運送され、お米屋さんが精米してくれて、最後に調理してくれる人が居ます。人や自然の恵みでこの一杯のご飯がここにあるのです。これは奇跡的なことです。「食」にはとても多くの人が関わっているのです。そのことに感謝をしなさいと説いています。
②「働かざる者食うべからず」という言葉があります。自分にはこの食事を頂くだけの仕事、勉強等をしたかな?と反省してみましょう!
③自分の心が貪(とん)=過ちに支配されていないか食事中、振り返ってみましょう。
④人の体は食べたもので作られます。良い薬のようなものです。栄養バランスを整え、健康であるために食べましょう。
⑤毎日頑張って生きていますます。更に頑張れる様に今からこの食事をいただくのです。「いただきま~す!!」
『五観の偈』が理解できた上で、それらを凝縮した一語として「いただきます」「ごちそうさま」を唱えることができれば、きっと毎日の食事がさらに尊い「食べる修行」となるでしょう。
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