回向(えこう)|善行はいずれ功徳となります
仏教には回向 えこう という言葉があります。
法要などでお経の最後に唱える文句を回向文といいますが、この回向ということの意味は、回し向ける と言う事です。
これは「ほかの幸福を願うことは、結果的に自分にも果報がある」「善行がいずれ自分や他の者への功徳となる」ことを意味します。
もう少し説明いたしますと、例えば法要を執り行うことによって、先祖供養 という善い行いをしています。
因果応報 という言葉があるように、善い行いをすると誰かに善い影響が起きます。
先祖供養 でしたらこの善い影響というのを皆様のご先祖様に向けます。
さらに、ご先祖様に善い影響があるだけではなく、皆様自身にも善い影響があります。
その善い影響というのは、ご先祖様に手を合わせた心の中で起きているかもしれませんし、ずいぶん後になってからふとした時に起きるかもしれません。
いつ起こるかというのは分かりませんが、因果が有る以上、皆様の善い行いは必ずご自身に善い影響として巡ってきます。
このように、自ら行った善い事が自分や他者へと巡ってくることを 回向 と言います。
困っている方にふと声をかけたり、人が嫌がる事でも率先して行ったりなど、見返りを求めないその温かな行動が、まさに巡り巡って 回向 となるのです。
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