親ガチャ|仏教の視点から|一切皆苦(いっさいかいく)
当山雲林寺の本堂入り口には、かわいい動物のお地蔵さんが出てくるガチャガチャを設置しており、法事に来られるお子様に1回、ガチャガチャで遊んで頂いております。本日の法事にも小さなお子様が5名おり、かわいい動物のお地蔵さん、を手にして喜んで頂きました。
ガチャガチャと言えば、昨日の共通テスト「倫理」では、「親ガチャ」を連想させるような問題が出されたそうです。
「親ガチャ」とは「子どもが親や生育環境を選ぶことができない」という意味合いで、
親の経済状況や遺伝的な要素が良ければ「親ガチャ、当たり」 それらの要素に恵まれない、もしくはいわゆる「毒親」だったりすると「親ガチャ、はずれ」といった具合です。
2023年 共通テスト 倫理のこの問題は、豪邸を目にした2人の高校生が社会的成功を生むのは本人の「努力」なのか、「運」なのかを話し合う場面から始まります。
仏教の開祖「お釈迦様(ブッタ)」はいわゆる親ガチャで、経済状況や遺伝的な要素が良い「親ガチャ、当たり」 の方です。
「そんな恵まれた方だから、仏教の開祖になったんでしょう」と、2人の高校生(共通テストに出てくる)は言うかもしれません
インドの北部(現在のネパール)の王子として生まれたお釈迦さまは、幼いころから何不自由のない暮らしを送っていました。しかしいつしか、「生まれてきた者は、年老いて、病気にもなり、そしていつか必ず死んでしまう」という、誰一人として逃れることのできない問題に深く思い悩むようになります。
お釈迦は、そもそもこの世に生まれたことは
「すべて思い通りにならない世界に放り出された」という現実に29歳で気づいたのです。
すでに結婚し、第一子にも恵まれ、王様になれる保証がありながら、です。
生(しょう)どこで、どんな姿で生まれるか選べません(親も選べません)
老(ろう) どんな人も老いることは避けられません
病(びょう)望まなくても病を得てしまいます
死(し) だれにでも必ず死はやってきます
生まれること、老いること、病むこと、死ぬこと、この生きていく上で避けられない四つの苦が、一般的には親ガチャで当たったはずのお釈迦さまを苦しい修行へと駆り立てました。
私たちは生まれついたこと、生きていること自体が苦であるのです。
一切皆苦(いっさいかいく)世の中の一切(すべて)は、苦しみ
人間の人生を全否定してしまう内容になってしまいましたが、お釈迦様はきちんとその苦しみを解決するために持つべき考え方など説いて下さいます。
諸行無常―すべてはうつり変わるもの
諸法無我―すべては繋がりの中で変化している
これらを正しく理解することが苦しみを解決することとなるでしょう。
今後、ご紹介していきたいと思います。
この記事へのコメントはありません。