節分会 | なぜ豆をまく?|豆を升に入れる意味
季節の変わり目には気圧や気温の急な変化によって体調を崩す方が多くおります。
昔においても例外ではなく、季節の節目にあらわれる体調の変化を、邪気が取り付くせいだと考えたのでしょう。
そこで、とくに一年の始まりともいえる立春の前日に悪霊祓いをすることで、以後一年間の無病息災や家内安全を祈ったのです。
悪霊や邪気を「鬼」に見立て、豆をまくことで邪気を祓う形式が定着したのは、室町時代(1336年~)以降とされています。
もともと宮中行事でしたが、近代以降に庶民も行うようになってから、お寺などでの豆まきが一般化しました。
豆まきは仏教から来た行事というより、日本古来の風習であるといえるでしょう。
豆まきに欠かせないのが「枡(ます)」です。
おめでたい席で目にすることが多い枡ですが、元々は穀物やお酒などの体積を計る道具として活躍してきた大切な道具です。
その昔、農民が穀物の種をまくとき、収穫量を計るとき、年貢をおさめるときなど、一年を通じて欠かせないもので人々の基準でもありました。
お供えものとして米や豆などが入れられた枡は「縁起物」として考えられるようになります。
また、「ます」という読みは「増す」や「益す」に通じ、「幸福が増す」「益々めでたい」などと、特別な日にふさわしいものとされてきたからです。
また、枡の組み方を見てみると「入」の字に組まれています。
これは「大入り」の縁起を担ぐことからとされています
また、木を組んでできていることから、木(気)を合わせるという意味合いでも、人々が一致団結するときや夫婦になるとき、枡で縁起を担ぐのだそうです。
暦のうえでは春の到来です。
この一年が、皆様にとって福多き年であるよう、お祈り申し上げます。
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