感謝の手紙|塔婆
先日、檀家様よりお電話にて 塔婆(とうば)のご依頼を頂きました。
とても急いでいるご様子で「明日取りに伺います」とのことでした。
その檀家様がお寺に塔婆を取りに来られ、お急ぎの理由がわかりました。
檀家様は数日前、交通事故に遭われました。
追突事故、しかも追突された側で、速度もかなりあったそうです。
2㎞先の住宅にまで、追突音が聞こえた事から、交通事故の大きさがわかります。
急いで来た警察官の方達が、無傷軽症である檀家様へかけた言葉は
「奇跡的です」
とのことでした。
通常であれば命を落としかねない事故であったにもかかわらず、身体に損傷がなかった檀家様は
「守ってくれた先祖」に感謝を伝えたい
と、とっさに想ったそうです。
亡き方々にありがとうの気持ちを伝えるのお手紙のようなものが塔婆です。
塔婆はご先祖様お一人お一人に「ありがとう」の気持ちを伝えてくれます。
塔婆を手紙とすると、このように表現できます。
塔婆を建て、あの世で仏道修行をしている故人様に向けて、
「〇〇さんの△△法要をしましたよ。みんなが〇〇さんの生前のご恩に感謝しています。あの世から見守っていてくださいね。」
と、法要を執り行ったことや故人への報恩感謝の気持ちをお伝えしているのです。
あの世の故人は、みなさんからの手紙をたくさん受け取るわけですから、きっと仏道修行の励みになることでしょう。
手紙は切手を貼り、投函しなければ届かない
僧侶は、法要中において故人の供養と一緒に塔婆の供養をしています。
塔婆の供養をすることで、みなさんのメッセージがちゃんとあの世の故人へ届くようになります。
つまり、塔婆に文字を書き入れることは
手紙を書くこと であり、
塔婆の供養をすることは
切手を貼り投函すること なのです。
古い塔婆はどうすればいい?
法要のたびに塔婆を建てていると、いずれはお墓の後ろが塔婆でいっぱいになってしまうことでしょう。
せっかく建てた塔婆ですが、それらもいずれ撤去しなくてはなりません。
塔婆を撤去する際には、 建てた日付の古いものから順番 に撤去するようにしましょう。
例えば、
- 七回忌の塔婆を建てるタイミングで、前回の三回忌の塔婆を撤去する
- 今年のお盆の塔婆を建てるタイミングで、昨年のお盆の塔婆を撤去する
といような具合です。
雲林寺の本堂の外に 古塔婆入れ がございますのでご利用下さい。
住職がお焚き上げをし、閉眼供養を致します。
古い塔婆を撤去したら、空いた所へ新しい塔婆を建てて下さい。
塔婆を建てましょう
亡きご家族やご先祖様への感謝の気持ち
その想いを塔婆に乗せて故人へ届けませんか?
塔婆が 手紙 の役割をするということは、法事の時だけではなく
塔婆はいつでも建ててよいもの だということです。
あなた自身のことや家庭のことなど、良い報告も悪い報告も、できるだけたくさんお伝えしてあげて下さい。
故人もご先祖様も、きっとあの世でお喜びになると思います。
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