百ヶ日|卒哭忌(そっこくき)|前を向いて生きる
人が亡くなってから100日目を迎えるのが 百ヶ日 ひゃっかにち です。
大切な方と離別し、通夜、葬儀、四十九日法要の他、死亡届等の行政の手続きをはじめ、慌ただしい日々をお過ごしになられたのではないかと思います。
百ヶ日は 卒哭忌 そっこくき とも言われています。
卒そつ とは、おわる、終える
哭こく とは、慟哭どうこく という言葉のように 大声を上げてなげき泣く |
つまり、声を上げ泣き叫ぶ、哭(な)くこと卒業する日という事になります。
百日という期間は、人間にとって新しい環境(状態)を受け容れるために必要な時間なのかもしれません。
来月4月は進学・就職シーズンになります。これまでとは生活環境が一変し、なかなか生活リズムがつかめず、4人に一人が 5月病 にかかると言われます。
しかし、7月ころ(百日過ぎ)になると、徐々に 現状に順応 していきます。
赤ちゃんが誕生してから100日目を 百日祝い(お食い初め)といいます。
首がすわり、笑顔が出始め、親を認識し始める、かわいい時期です。
何事にも 適応する のが 百日 なのかもしれません。
大切な方の死は、残された方々の人生に何らかの変化を与えるように思います。
故人様の仏事供養に関わり、仏教に触れ、新たな発見があるのではないでしょうか。
お釈迦様の弟子の一人で、 母を亡くした悲しみのあまり、仏道修行に集中できなくなってしまった修行僧がいました。
修行僧の母が亡くなってから100日が経過したある日、お釈迦様は言いました。
「泣くことは、母親を悲しませるだけだ。仏道修行に一層励む事が、何よりも母への供養だ」
お釈迦様に背中を押され、泣くことを卒業し、自らの意思で、今まで以上に自分自身を高めていこうと、仏道修行への道を再び歩みはじめました。
卒哭忌 は故人様を忘れることではありません。
私は故人様を思い出す事はとても大切な事だと思います。
卒哭忌 は此岸にいる私たちが、気持を切り替え、全てを受け入れ、前を向いて生きていく 大切な機会 なのではないかと思います。
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