1. HOME
  2. お寺のブログ
  3. 仏事の知恵
  4. 忍辱(にんにく)

忍辱(にんにく)

マシュマロ 雲林寺

子どもの自制心の有無を知ることができる「マシュマロ・テスト」をご存じですか?

椅子とテーブルだけの部屋に4歳児の子どもを呼び、子どもの前にマシュマロ一つを置きます。

そして、

「これは君にあげるよ、私は今からちょっと用があるから部屋を出るけど、もし私が戻ってくるまでの15分間食べるのを我慢できたら、もうひとつマシュマロをあげるよ。でも、我慢できずに食べちゃったら2つ目はなしだよ」

と言って子どもを一人にし、我慢できるかどうかを試します。

186人の4歳児を対象とした結果、2個目をもらったのは全体の3分の1、残りの3分の2は我慢できずに食べてしまいました。

そして、この子ども達を10年後、20年後、30年後、40年後と、中年期 になるまで追跡調査した結果、我慢して見事2個目をもらった子たちは、我慢できなかった子に比べ 社会的成功度が高い という結果になったそうです。

充実した人生を送るには、忍耐力が鍵 であることを示しております。

忍 雲林寺

仏教では 忍耐(耐え忍ぶ事)を 忍辱にんにく と云います。

忍辱にんにく は、さらに3つに分かれます。

他毀辱忍たきにんにく 誰かに憎み恨まれて危害を加えられても、復讐の心を起こさずに耐える事
安受苦忍あんじゅくにん 苦境に立っても、決して悲観絶望せず、心をぶらさず、安らかにいる事
諦察法忍たいさつほうにん 何か成し遂げたい時、苦しくても信じ、耐える事

ゴールが見えない中で 耐える というのは、簡単なことではありません。

諸行無常の世の中 状況は常に変化するので、耐え続ける という事はありません。

人生全体で見れば 耐える期間は あっという間の短い瞬間なのかもしれません。

お釈迦様が 忍辱 を彼岸(悟りの境地)へ渡る仏の行い(6つ)1つとしたのには意味があります。

ただ 耐える のではなく、先を見据えて、今の行動を抑えること。

前向きな判断をした上の 忍耐 魂を磨き彼岸(悟り境地)へ近づくのではないかと思います。

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。