たかが呼吸、されど呼吸|花粉症との戦い|大安般守意経から学ぶ
冬の寒さが続く中、私は早くも花粉を感じております。
毎年、1月中旬になると花粉飛散予測が発表されますが、今年の関東地方は例年の2倍以上であるそうです。
花粉症のため、鼻づまりから自然と口呼吸になります。口呼吸だと、取り込める酸素の量が減り、苦しくなります。のども乾燥してしまいます。
「住職、今日はいつもと声が違いますね」
花粉の強い日の葬儀では、司会の方に必ず言われてしまいます。
花粉症の時期は特に「呼吸」の大切さを思い知らされます。
仏教には「大安般守意経」と言う呼吸法に特化した経典が有ります。安般守意とは「心を込めた呼吸」と言う意味です。
ブッタ(お釈迦様)は身体を苦しめる修行を6年間にわたって続けました。苦行の中には息を止めて耐えるような命懸けの修行も有りました。しかし、悟りの境地に至れず、苦行の中で息をむやみに止めるのは間違いだと気づきました。
発想を転換して、今度は呼吸に集中する修行を始めたのです。
始めは呼気と吸気を共に長く続けていましたが、次第に呼気に集中する呼吸を完成させ瞑想の充実を図り悟りに至る事が出来たのです。
「出る息は長く心を込めよ。吸う息は短く。この呼吸を頼りに真理に気付け」
「大安般守意経」では呼吸により心身の浄化を図って悟りを開く事を教えています。
長く吐くには長く吸ったほうがいいと思うかもしれませんが、むしろ短く吸ったが酸素交換効率がいいそうです。酸素交換効率が上がると免疫力が高まりストレスの解消に繋がるそうです。更には食事の量が減り、体質も変わるといわれております。
お釈迦様が一日一食で修行を続けられたのも呼吸法を実践していたからではないでしょうか。
呼吸を整える事によって心身を整え、生き方をも整える事が出来るかもしれません
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