お寺にある金色のシャンデリアのような飾り
お寺の本堂に入ると目に付く、天井より下がってキラキラと輝いているあれは何だろう?と、不思議に思われている方もいると思います。
名前は「天蓋」といい、お寺の本堂の中央、導師が立つ位置の天井から吊り下げられるものを「人天蓋(にんてんがい)」、仏像の上にあるものを「仏天蓋(ぶってんがい)」と呼びます。
天蓋の形に着目してみると、どこか傘に似た印象を受けます。それもそのはず、天蓋の起源は「傘」なのです。
インドの気候は気温が高く最高気温は50℃にまで達します。そして陽射しもとても強いのです。
そんな気候風土の中で、お釈迦様は45年に渡る布教教化の旅を続けてまいりました。
説法はほとんどが屋外で行われたため、お釈迦様は強い陽射しが射す中での説法を余儀なくされました。
当時、インドではすでに、陽射し避けに日傘を用いる習慣があったようで、屋外で説法を行うお釈迦様に信者の方々が日傘を差し出し、説法の補佐をなさっていたようです。
そうした陽射し避けの日傘が「天蓋」となり、現代のお寺では本堂で説法をする者をお釈迦様と見立てるという意味で、また、本堂の荘厳という意味も加え、本堂中央に天蓋を吊るしています。
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