「3」と「7」は大切な数字
2月26日は、祖父であり、先々代住職28世の大慈提三(だいじたいざん)大和尚の命日でした。
今年で13回忌になります。
年忌法要は一周忌を終えた1年後に3回忌となり、次に7回忌となり、13回忌、17回忌…と「3」と「7」のつく年忌が続きます。
なぜ「3」と「7」のつく年に法事を勤める事が多いのでしょうか?
「3」と「7」は仏教で特別な数字として扱われております。
「3」は「二元論(にげんろん)」から脱する という意味があります。
勝ちか負けか、成功か失敗か、得か損か…
人は何か問題が起こった時、心の中にモヤモヤが発生し、それを「善か悪か」など自分が理解できる、自分の物差しで両極端な考え方→二元論に落とし込みます。
これは、スッキリさせたい!という欲求を解消させる心の仕組みだそうです。
しかし、お釈迦様は、「両極端の考え方や行動は避けよ」と教えました。
これを「中道(ちゅうどう)」と言い、仏教でさとりを目指す上で大切な考え方であります。
どっちつかずということではありません。
ものの見方が広がることで自分自身を見つめる余裕がでてくるといわれます。
「二を超える生き方をせよ」そういう意味で「3」という数字は大切にされるそうです。
「7」は迷いの世界である「六道」から脱する という意味があります。
これは、私たちの迷いの姿である「六道」の世界を超えてさとりに至る、ということを暗示しており、そこから「6」を超える=「7」という数字が、迷いを超えるという意味で大切にされると言われます。
毎年は無理でも、せめて仏教で大切にする数字「3」と「7」のついた年忌だけはお勤めしようということが習慣化し、「3」と「7」のつく年忌が行なわれるようになったようです。
しかし、年忌法要で大切なのは、「3」や「7」と言った数字にこだわることではなく、その数字に込められた「迷いを離れる道を歩む」ということなのではないかと思います。
年忌法要では亡き方のことを偲ぶのはもちろん、それを縁として、普段なかなか触れられない仏法に触れ、自らの命や生き方について、深く見つめることができるのではないでしょうか。
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