あなたはこの世でたったひとつの存在|春色無高下 花枝自短長
春が過ぎ、夏を迎える頃、雲林寺の境内には紫陽花(あじさい)の花が咲きます。
先々代、28世大慈提三大和尚が住職の時に植えたそうです。
紫陽花の咲く敷地は、微妙に日向と日陰があり、一本一本の花をよく見てみると、大きさ、枝の長さが違います。
でも、全体でみると、バランスがとれてとても美しい風景になります。
春色無高下(しゅんしょくにこうげなく) 花枝自短長(かしおのずからたんちょう)
春の日差しは公平に当たるけど、花や枝は長いものもあれば短いものもある
機会は平等でも、結果が同じになるとは限らない という禅語です。
人の個性は十人十色。人と違っていていいのです。人と自分を比べ、欠けている部分ばかりを見て、悲しい気持ちになるのはやめたいものです。
また、人と同じようなものを好み、同じような考え方をしなければならないということはありません。
あなたはこの世でたったひとつの存在ですから、自分だけの個性を失うことはもったいないことなのです。
そして、それぞれの個性によって分けられている個人が、それぞれの立場として輝く。
個々の違いを認め、互いに助け合う世の中を願っております。
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